私は現在、35歳派遣でITエンジニアをしている。
いつかこのITエンジニアという職種から離れてみたいと思うが、なかなか離れられそうにない。
最初の職場
大学で情報系の学部に進み、大学院を出て、新卒でメーカー企業のIT技術職に正社員で就職した。
IT技術職といっても、工場の生産技術に近い職種だったため、バリバリITに詳しい人が職場にいる雰囲気でもなく、ITの知識はほとんど自分で身に付けていくしかないような職場だった。そうは言っても、私も「コンピューターやプログラミングが友達！」と思えるほど、IT技術に興味があるわけでもなく、業務も忙しかったため、業務時間外に勉強することはほとんどなかった。大学・大学院で多少身に付けたプログラミングスキルなどの貯金のおかげで、なんとかなってしまっていたという現実もあった。
自分の天井が見えたとき
30歳くらいになって、段々とスキルの貯金が崩れかけていることを実感する様になってきた。業務のレベルが上がって自分で解決方法が見つけられない問題に直面することが多くなった。でもその答えを教えてくれるような人を見つけることも出来ず、自分の限界はきっとここまでなんだと思うことが増えた。
レガシーと思ってしまう職場の環境も、不満はあってもスキルも知識もなくて、改善方法も提案出来ないような状態だった。自分で出来ないから現状を受け入れるしかない。そんな感じで仕事を続けていたと思う。
仕事をやめた
最初の頃は楽しさを感じていた仕事も、だんだんと楽しさを見出せなくなり、嫌々やることが増えていった。そして結局、仕事をやめることにした。
上手く転職出来れば良かったが、ここまで書いたような状況だったため、自分の仕事にも誇りを持てず、スキルもなく、やりたいこともなく、更に就活も苦手だったため、正社員での転職先を見つけることは出来なかった。
このとき、もうITエンジニアは向いていないかなと思い、事務系などの仕事も探してみた。しかし、経験ゼロの状態からの応募となること、ITエンジニア以上に倍率の高い求人を探すことになることなどから、ITエンジニア以外への転職の難しさを知った。
IT派遣エンジニアになる
当時既に結婚していたこともあり、半ば夫に甘える形で正社員は諦めて、派遣に登録してみた。すると、あんなに苦戦していた転職活動が嘘のように仕事が決まった。
派遣で脱エンジニアする道もあったが、給与が倍近く違う状態で、あまりにも生活レベルを下げるのも怖かったので、結局ITエンジニアの仕事を続けることにした。
そして現在
派遣先は、いわゆるWeb系のIT企業で、私よりも若くて実力のある人たちがわんさかいる。そういった環境もあって、これまで以上に自分のスキルのなさを思い知る機会が多い。
なんとか誤魔化しながら、仕事をこなすものの、いい加減ボロが出てきたので、勉強しなきゃと思いつつ、なかなか自学は手につかない。
こんな何をやっているのか、よく分からない世界とは早くおさらばしたいが、特にやりたいこともなく、出来ることもなく、どうにも逃げ道が見つからない。
やっぱりこの仕事にしがみついていくしかないのである。
人生って厳しいね。
